世界で一番早いと言われている乗り物
日夜様々なロケットが打ち上げられていますが、2016年2月17日JAXAが種子島宇宙サンターから、H-IIAロケット30号機にてX線天文衛星「ひとみ」の打ち上げに成功しました。ロケットはクリティカル期間という時期が存在しており、この期間は分離した衛星が最低限の運用ができるようにするための重要な期間となっています。
具体的にこの期間では打ち上げる時に収納しておいた様々な機械を使える状態に変形させたり、衛星が宇宙空間で一定の姿勢を保てるように制御したり、地球から衛星を追跡するための装置がきちんと作動するか等を24時間体制で確認しています。
2月に打ち上げられたひとみはSXSという結晶によるX線の解析現象を利用して波長スペクトルを得る事のできる分光器の冷却システムを試験運用のために作動させ2月22日に冷却効果が確認されました。
ひとみに搭載されている機器の初期機能確認に約1か月半、その後搭載されている観測計器の目盛りをを正しく調整するキャリブレーションに約1カ月半程かかる予定でしたが、3月26日にトラブルが発生し通信が途絶。あらゆる復旧作業をしましたが、機体が損傷していることが判明したため、4月に運用を断念しました。
この様に衛星を動かすには様々な動作テストを行わなければならず、テストを100パーセント完璧に行ったとしても、宇宙空間では予期せぬ出来事が起こり、観測を中止することもあります。我々人間が普段使っている機械の性能や世界が違う事をまざまざと見せつけてくれており、これからの人間の可能性を深く考えさせられます。
ロケットの魅力
ロケットの魅力はたくさんあります。まずは誰もが持つ、大空を飛び越え、宇宙まで到達する乗り物であること。そして、そこに搭載される最先端技術など。しかし、なんといっても、一番大きいのは、並外れたスピードです。月や惑星に向かうスピードは秒速11.2km。時速にして40,320kmという破格のスピードを出すことができる能力です。
ロケットのキホン
日本におけるロケット開発の中心はJAXAと三菱重工が行っているというのが現状ですが、小説でもあるように小さい町工場などでも開発が進められているのが実のところです。小さい町工場にしかない職人技が求められているということですね。
ロケットのまめ知識
2015年11月にH-ⅡAロケット29号機の打ち上げに成功し、日本の打ち上げ成功率は97%に上がりました。H-ⅡAはこれで23回連続して打ち上げに成功しています。日本はこれで世界の中でも有数の成功率を誇る国となりました。